ほおづき

罪の余白のほおづきのレビュー・感想・評価

罪の余白(2015年製作の映画)
4.0
この映画、正直ぜんぜん人におすすめできるものではないのだけど、何がいいって吉本実憂さん演じるサイコパス女子高生の悪女っぷりが最高にかっこいいところ。

スクールカーストの頂点に君臨し、容姿端麗で成績も優秀。どんな大人に対しても弁がたち、自分が死に追い込んだ生徒に関して誰に何を言われても動じず、相手を上手に攻め侮辱して周囲の人間を翻弄していく。
そんな『エスター』の序盤だけを抜き出したような、狡猾で反社会性パーソナリティ障害な女性像が抜群にかっこいい。

『渇き。』で猟奇的な女子高生”加奈子”を演じた小松菜奈さんをも彷彿とさせるが、感情もなく淡々と精神的に人を追い込んでいく姿は”加奈子”以上に好き。


ただ・・・

その狡猾っぷりを際立たせるためだったのか、内野聖陽さん演じる自殺した子の父親がおまぬけなんだけど、心理学の先生なのに他人の行動心理が全く読めてなくてゲンナリさせられる。
後半は二人の心理戦になるのなのかと思いきや、その行動がいちいちうかつ過ぎであまりにどんくさい・・・
『エスター』でいうところの役立たずな養父みたいな感じなんだけど、あの人よりも頭弱い。

サイコ悪女映画として物凄くもったいない。