舞台はフランスの田舎町。
家族で唯一聾啞ではない娘のポーラ。
家族は家畜農家をしながら市場でチーズを売り、ポーラは常に彼らの手話の通訳をするため何時でも何処でも家族セットの毎日を送っていました。
その上お父さんが村の選挙に一家総出で出るなんて言い出しやがったせいでより忙しさが増します。
もうこの時点でこの子がどれほど色んな事を諦めて我慢してるんだとか考えちゃうけど、この子は家族愛に満ち溢れた子だから苦と思って生活してなさそう。ほんと良い子…
学校ではちゃっかり好きな男の子と同じコーラス部に入ったり、でもその子にはイケてる層の彼女がいてって恋にも悩んだり、でもでもコーラス部でポーラの才能が開花して彼とデュオで歌うことなったり…と青春な要素もあります笑
これが普通の女の子なら、才能開花してさくさくっと親に相談してきゃーおめでとう頑張って！って歌の学校に進学して都会でスーパースターになる、っていうお話になるんだろうけど、家族が聾啞だとそうは簡単にいかないんですね。
やっぱりどんなに綺麗事を言っても普通の親ではない訳だから。
娘の幸せを願って大事に大事に育ててるのは伝わる、でも娘の歌が聴こえないからか娘を失う事への不安からか、夢を応援できない両親にかなりイライラしてしまいました。
誰が悪い訳じゃないけど聾啞って簡単な問題じゃないんだなと。
でもさすがフランス映画。
あの特有の毒の効いたブラックジョークや下ネタが変に可哀想感を出さずに観れたので心地よかったです。
親の膣の話とか性行為の話を医者から通訳する場面は辛いけど笑えました。
弟は弟でえっちな雑誌を人前で堂々と読んだり…真っ黒な子牛の名前をオバマにしたり…アナフィラキシーショックのくだりだったり…笑
声に出して笑えるシーンもあってテンポ良く展開が進んでいました。
あとは何と言っても無音の歌のシーン。とても印象的でした。ほんとに何にも聴こえないってつらいなとも思ったし、だからこそ逆に視覚で色んな情報を探せるんだなと。
そしてどんっっっなに頑張ってもポーラのこの綺麗な歌声は家族に聴こえないんだよな〜悲し過ぎると思ってのあのラスト…。
あとはネタバレに書きます！
