ずっと大事にしたい絵本みたいな映画だった。これに素敵な音楽がつくのだから満点の映像美。
妹の誕生と同時に母親と別れて、お兄ちゃんになりきれないワガママ坊主に育ったベン。妹のシアーシャに意地悪ばっかりしていたけど、そのピンチに際して成長していく。
ベンが記憶の髪の毛を辿って、ママに起きたことを知るシーンに特段心を掴まれた。ベンが変わる決定打になるのもわかる。
パパがシアーシャのコートを海に捨てたのも、マカが息子の巨人マクリルの感情を封印したのも、その子の本質を奪ってしまうけれど愛するあまり衝動的にやったんだなってわかる所が切ない。
特にコートについては、毛皮がないと海に戻れなくなるというセルキーについての伝承があるらしい。
家族愛と、妖精の世界の不思議な雰囲気に癒される。