福みみ

みかんの丘の福みみのレビュー・感想・評価

みかんの丘(2013年製作の映画)
3.6
イヴォ爺さんの家の周辺では土地を巡る戦争が勃発しており、ある日自宅近くで傷ついた2人の兵士を友人と共に助け出して看病し始めた。

何と2人が連れ帰ったのは敵同士で一つ屋根の下で暮らし始めるも最初はお互いに殺してやると息巻く状態でした。

しかし、2人は命の恩人であるイヴォ爺さんにだけは頭が上がらないので、家で殺し合いはしないと約束するのだった。

そうして日が経ち、2人の傷が癒えていくにつれて爺さんの家での暮らしは爺さんを中心にいがみ合う2人の心を徐々に打ち解けさせていった。

それなのに呆気なく、そしてあまりにも悲しい結末が待っていました…。

小さな爺さんの家を舞台に戦争とはいかに虚しいもので誰も得しないということを伝えてくれる素晴らしい映画です。

最後イヴォ爺さんがアハマドに問いかけます。
「教えてくれ、人種が違うと何が違うというのだ?(皆同じ人間だろ?)」

色んな悲しみを乗り越えてきて、誰に対しても平等に優しく接し、何が起きても全く動じないイヴォ爺さんらしい問いかけでした。


今起こっているパレスチナとイスラエルの戦いが早く終息する事を祈ります。
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