スヌーピーマン

EDEN/エデンのスヌーピーマンのレビュー・感想・評価

EDEN/エデン(2014年製作の映画)
3.5
◆Daft Punkに詳しい
◆DJ経験がある又は詳しい
◆クラブ通いをしていた
◆クラブミュージック好き
◆時代背景を理解できる
◆夢を実現した又は敗れた

上記に当てはまる人なら
人生の1本になり得る作品。
そうでなければ退屈な1本。

音楽ビジネスの栄枯盛衰を描いたストーリーは数あれど、DJの生き様をリアルに描きすぎた本作は、選ばれし者たちが傷つく。当時から現在に至るまでの、似た夢を追った者たちの鎮魂歌のよう。

前半と後半の組み立て方が斬新だった。

1992年から始まる前半は、断片的な8mmフィルムを観せられているような、遠い記憶のようにフラッシュバックしていく。

本当に90年代のような「過度な言語化はダサい」と言わんばかりの醒めた空気がある。わぁこんな感じこんな感じ!当時の若者こんな感じ!

それが2000年代に突入する後半から、まるで直近の出来事は鮮明に覚えているように、現実的な問題がくっきりと言語化され、痛々しい「歪み」が浮かび上がってくるのだ。

成功に向かっていくときは夢見心地だが、痛みのターンは鮮明にみえるという事かな。

とにかく前半と後半の突き刺さり方はまったく異なって、いたたたた!てなる。この映画に感情移入できなくて困ってる人には、感情移入したら死ぬぞ?と言いたい。

むしろぼんやりと引いた映画なのが救いなほどだった。緩急など無くていい。じんわりじんわり、何かがズレていく悲壮感。