春千雅

黒衣の刺客の春千雅のレビュー・感想・評価

黒衣の刺客(2015年製作の映画)
3.8
各シーンを切り取ってポストカードとして販売した方がいい。
そのぐらい映像が美しい映画でした。
特にタイトルバックの夕日等、引きで映る大自然が大変素敵でした。

しかし、内容はとにかく謎だらけ。
ストーリーの全容を一回で理解した人はいるのでしょうか?
中国史の基礎知識、この時代の文化や風習、孔子の教えやらも知識として持っていたら、より味わい深く鑑賞できたのかも。
それにしてなんの説明もしてくれずに進む映画。
はじめは、「このシーンの意味は・・・?」「この動作、この背景に隠された意味は?」
と勘ぐったけれど、中盤でやっと
「美しさは正義!美しければそこに正解などない!」
と思えてくる。そんなの映像美でした。
あとで調べたところロケハンは5年の歳月を費やしたとのこと。壮大すぎる・・・・
日本の風景や建物もあったとか・・
(そうとは知らず、建物の瓦とか日本ににてるなー。アジア繋がってるな。と思っていた。)
映像美だけ綴りましたが、主人公の孤独さや微妙な心理描写も各所で感じられ、じんわり心に残りました。
しかし、完璧に理解するためにはもう二回ぐらい見たい。
(うち一回はだれか詳しい人の解説を副音声で聞きたい・・・)

難解だけど余韻が残る良い映画でした。

あと、スーチーファンとしては、
・モノクロのスーチー。
・スーチーの横顔とたたずまい。
・湯気とろうそくの光の中入浴するスーチーの鎖骨。
・風に吹かれるスーチーの髪。
(この映画、衣類やカーテンもよく風になびく。おそらく計算。なぜなら美しいから。)
・戦うスーチー(クローサーのワイヤーアクションとはまた違う。)
等々、魅力いっぱいでした。
春千雅

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