とぽとぽ

シーズ・ガッタ・ハヴ・イットのとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.5
Talking about Sexーーーー見えてるのは一部、彼女の全体は分からない。皆が口々に自分のノーラを語る、自由奔放で芸術に身を捧げ(作中出てくる写真や音楽がまた良い!雰囲気逸品)。初期傑作『ドゥ・ザ・ライト・シング』のように今日まで続く彼の政治闘争的というよりはストリートに根差す姿勢が本作には若さと共に刻まれている。文学的でセクシャルさ込みの独自性溢れるインタビューのようなストーリーテリングに、時にウディ・アレンのよう。お洒落眼鏡なスパイク・リー自身を含めて魅力的なキャラクターたちにダイアログ、秀逸な編集込みで独特なテンポが流れながら深淵な部分にまでリーチしていく。ノーラのそこまでの魅力が観客に伝わるかは分からないけど少し『サマー』や『チェイシング・エイミー』的(けどキャッチーなだけでなく憂いを帯びている)で、美しく何気ないモノクロ撮影は『マンハッタン』と『クラークス』の間?このまま最後まで白黒で行くものかと思っていたら突然のビビッドなカラーで一瞬ミュージカル的ダンスシーンが繰り広げられたりもする自由さが愛しい。キャラの異なる彼氏3人揃っての地獄の晩餐シーンのシュールさもなかなか。作品自体が色褪せても男女のいざこざは普遍的な恋模様、こうなると欲望もほどほどにと言ったところか。きっと地元のコミュニティにも通ずるであろうテーマを浮かび上がらせるように何もかもさらけ出していくノーラ。ここで見えてくるのは男女関係、恋仲には欠かせない感情ちの機敏。実尺以上に長く感じたから個人的にはスゴく楽しめた、というわけではないかも。けど魅力的で素敵な作品であることに変わりはない。エンドロール前キャストが名乗っていく最後が最高。

「人は大切なことのためなら時間を作る」「ノーラにとっては3人で一人だった」グリアー名言いいがち
"Please Baby. Please Baby. Please Please Babe."
「君の探し物は僕には分からない」
TOMATOMETER93% AUDIENCE71
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