Joker

快楽の漸進的横滑りのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

この作品は映画というよりアートだと思う。物語や内容があるのではなく、頭の中にあるイメージを繋ぎ合わせたような作品だと思う。なので「考える」より「感じる」べき作品だと思う。

まず感じたのが、物語の不条理さとどこか思考が欠如した登場人物。作品でいうとアントニオーニの「欲望」に似ているところがあると思う(本作の方が内容がなくて、アート性が高い感じ)。
次に感じたのは、容赦ない性の描写だった。性と言ってもsexなどの描写があるのではなく、それを抑えることによって単なるエロい映画で終わってしまうのではなく、あくまでアートな映画であろうとしているのだと思う。
性器を切り刻んだり、裸体に卵の中身をかけたりなど過激で性に根本的に訴えかけてくるような描写が多かったと感じた。

物語的にはニーチェの永劫回帰のように同じものが繰り返されていくのがテーマのように感じた。
一見意味の分からないタイトルだが、確かに刑事、弁護士、牧師などに徐々に快楽が伝染病のように「横滑り」していったと思う。

裸体が多く出てきてSMのような描写もあるが、それでいていやらしさを感じさせず、物語が無いようで薄らとあるところ、刑事が事件の解明していくかと思えば途中で一切無くなるなど、掴めそうで掴めないような印象の映画だった。
Joker

Joker