MrMINE

ハイネケン誘拐の代償のMrMINEのレビュー・感想・評価

ハイネケン誘拐の代償(2014年製作の映画)
3.5
日本の宣伝が煽り過ぎたかな?
飲み屋でたまに飲むくらいのビール“ハイネケン”。
まさかその経営者が拉致監禁された上に、当時の最高額である身代金が奪われていたとは、そんな世界的事件さえ知らなかった。
この事件、未だにまだ謎が解明されていない部分がある。

ノンフィクション小説を映画化しているということで、なんといっても歴史的人質事件、そしてその映像化、人間模様の描き方という点で勉強になった作品。

その中で象徴されたメッセージ。“裕福”に纏わる物語。

大金持ちで裕福なハイネケン経営者を誘拐する、信頼関係の深い仲間たちに恵まれた誘拐犯たち。

我々はおのずと、誘拐犯視点でこの物語を見ていくだろう・・・。
恵まれない環境、誘拐という大事件を引き起こした心理状態、不安感。
やはり、道理に外れた生き方をするとどこか狂っていくのではないかと、バチが当たるというのは本当にあるんじゃないかと考えさせられる実話映画。

ラスト、アンソニー・ホプキンス演じる経営者が語る
“裕福には二通りある。大金を得て大金持ちになる人生、仲間たちに恵まれた人生。しかしこの二つの裕福を手に入れることはできない”

人生の先輩、成功者の語る言葉としては説得力のある名言だ。
おのずと自分の人生と照らし合わせ、そして想像させられる〆め方だった。

P.S.アンソニー・ホプキンスという役者のオーラが勝っていて、もはや羊たちの沈黙レベルだった。人質という印象を与えさせてくれなかった・・・。
それはディレクターの意思か? 
MrMINE

MrMINE