シュンギク

スター・ウォーズ/最後のジェダイのシュンギクのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

2D字幕、4DX3D吹替、IMAX2D字幕で鑑賞。
ダメダメなところがかなり目立つものの、それ以上の素晴らしいところもあるのが悩ましい。


思えば視点の転換を促す映画だったと思う。
登場人物が経験する正義と悪、光と闇。観客はミスリードに次ぐミスリードに翻弄される。

そして血筋や伝統に縛られていた物語はその呪縛から解き放たれ、何者でもない者たちに受け継がれた。誰もが新たな伝説を築き、新たなヒーローへと成ることができる。ルークからレイへの継承の描写はほぼなかったとはいえ希望を示したラストシーンは美しい。

また、伝説となっていた『スター・ウォーズ』という作品はその重さから解き放たれ、劇中人物たち同様に私たち観客の物語にもなる。幼いころからスター・ウォーズを観ていた身としては非常に感慨深い。

このテーマ自体“は”かなり素晴らしいものだと思うし、感動もした。


だがそのテーマを描くために登場人物たちの言動や物語の展開はかなりおかしな方向へ。

観ていて誰もが思った「なぜホルド提督はその作戦を語らないのか」。ポーに対してあの自信満々な態度を取っておきながらクーデターを許し、結局は作戦失敗という間抜けっぷり。なぜだ。

さらに嫌だったのがポーやフィン、ローズらの行動が次々と裏目に出て多数の死者が出てしまったこと、そしてそれを悔いることもほとんどしないこと。
ローズ自身も、カントバイトの設定を語るためのキャラクターでしかなくて魅力が足りない。フィンはレイやBB-8とのやりとりが前作で魅力的だっただけに、今作の扱いはかなり物足りない。割と出番の多かったポーも前半でサゲてしまった株を取り返せないまま終わってしまった。

そして映画としてミスリードに次ぐミスリードでただでさえ疲れるのに2時間半という長尺を見せられたのはやはりきつかった。面白くないシーン、不要に感じるシーン、結果意味のなかったシーンが多すぎる。


ただ、レイ&カイロ・レンの共闘や終盤のルークなどケレン味たっぷりのかっこいいシーンもあるし、ルークとレイア、R2-D2との再会やルークのラストなど感動的なカット・シーンも豊富。この素晴らしいカット・シーンに関してはJJが撮るモノよりも上なのかもしれない。

しかし歪なバランスのライアン・ジョンソンよりはJJのほうが安心して観られそうな予感はある。
完結編、頼むぞJJ。