朝田

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けの朝田のレビュー・感想・評価

1.0
シリーズの中でも最低に近い出来であるし、エイブラムスのワースト作品でもある。自分がシリーズのファンである事を抜きにして、映画単体としての完成度が低過ぎる。スターウォーズの古参のファンの要望と、新規ファンの要望を両方取り入れ過ぎたあまり、無駄にドラマが錯綜する散漫な脚本。どの登場人物の物語も中途半端にしか描けていない。そもそも対決の構造が、レイとカイロレンのパートとポーやフィンたちの戦いのパートとで断絶したまま進むので、キャラクターを多く登場させてもカタルシスに欠ける。前作からの新キャラであるマズ・カナタはほとんど活躍せず、雑な扱いになっているし、フィンやポーたちもそれぞれの個性や特徴を魅せるシーンが無いのでアクションの魅力に乏しい。フィンのレイに対する「言いたかった事」をめぐる件がまったく回収されないのも酷い。説明的な演出が多すぎるのも大きな問題点。レイが蛇を癒した後に「フォースの力で治した」とわざわざ言わせたり、マズ・カナタに自ら元ストームトルーパーである事を唐突に告白させたり、ポーがカイロレンがレイの出生の秘密をセリフで言った後に、その秘密の内容を再度映像で再現していたりといったような過剰な「親切設計」によって映画としての軽快さが失われている。映像で語る姿勢が一切見られない。カメラワークもクローズアップとピン送りを多用するばかりで抑揚が一切無い。アダム・ドライバーしか誉められるところが無い映画。やはり「エンドゲーム」は偉大だったのだ。。。
朝田

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