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美女と野獣のMeeのレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
4.1
〝女性は家庭を守るべき〟〝女性は男性よりも劣っている〟という女性の社会進出を妨げる固定観念を打ち破るような作品。
馬と樽を使った今で言う洗濯機のようなものを発明していたり、少女に文字を教えたりと、その知性の高さを示すシーンが多くあった。
昨今は女性の社会進出が声高に叫ばれているが、ただ権利のみを主張するのではなく、確かな実力を備えた強い女性としてベルは描かれていた!
[シンデレラ・コンプレックス]のように女性に対してややネガティブな倫理用語のタイトルに使われるディズニー作品、今回の『美女と野獣』ではそれを見事に打ち砕いてみせた。
結構アニメ版と違うしね!付け加えられたシーンも多い。
ベルが本を読み聞かせるのが羊から少女になっていたり読んでいる本が難しい内容になっていたり多くの人種の方を出していたりお母さんについて描かれていたり…
挙げたらキリがないというくらい劇的に変わっていた!
1番はお父さんではなくベルが発明家という設定になってた事かな。
とにかく対比するシーンが多く非常に示唆的だった。

更に、ル・フゥを始めとしたLGBTにも目を向けられていて、ガストンに対してもそういう見方が出来るなーというシーンが2つ程あり、決定的なのはラストのみんな真っ白なドレスを着たダンスシーン。
同性愛が禁止されている国ではR指定がかけられていたり、公開が禁止されたほど。
意識して観てなかったらわからんけどなあ。
白はリスタートを意味する、社会における女性やセクシュアルマイノリティ等の抑圧されがちな人々も全てが自由に生きられる明るい未来が見えたようなラストでした。

洋服ダンスが歌った「自由に生きて!!」、正に映画のテーマはここに収斂します。

そしてもっとわかりやすい所にいくと、人は見かけじゃない、心を広げれば世界も拡がるという事だね。
パリに行った時のベルの「意外と狭いのね」という落胆したセリフがすごく印象的。
有限の世界を無限に広げるには世界の捉え方を、心の持ち方を変えるしかない。
心さえ豊かに持っていれば世界は見違えるのだという事を再認識させてくれる素敵な映画でした☺️🎬
まあこのシーンは〝女性より遥かに優れた男性にしか務まらない仕事、ひいては社会〟という男尊女卑に基づいた考えを打ち破るというか、案外社会に飛び込んでみたら何でもないよ、恐れないでという事を示すものでもあるのかな。
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