きはる

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のきはるのレビュー・感想・評価

4.0
主人公のあだ名は題名でもあるリトル・ボーイ。
舞台は第二次世界大戦下のアメリカ、カリフォルニア州の漁村。
広島に落ちた原爆のニックネームは…もちろん繋がっています。

小さな少年ペッパーの願いは、戦地にいる父を呼び戻したいという一心。
そのために達成しようとするのが、司祭から渡されたリスト=キリスト教の教え+「ハシモトに親切を」。
わたしが日本人だからなんでしょう、ハシモトという日系人との交流が不器用ですごく心に刺さりました。

リトル・ボーイが投下された後、ペッパーとハシモトが海辺で寄り添う印象的なシーン。
予告編と本編とで日本語訳が変わっていたように思うのですが、私は本編の方が好きです。
8歳の無垢な少年が無力感に苛まれるとき。
純粋で1人よがりな気持ちから乗り越える、大事な場面だと思います。

自分の願いを信じるペッパー、キリスト(an imaginary friend)を信じる司祭、神を信じないハシモト。
メキシコ生まれの監督が描く、色々な立場から切り取った信仰・絆・戦争を目にすることができてよかったです。

初日だったこともあり席が大分埋まっていました。
日本人は"Jap""Nip"という蔑称だったんだな…。
きはる

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