コーヒーマメ

悲しみの忘れ方 DOCUMENTARY of 乃木坂46のコーヒーマメのレビュー・感想・評価

4.3
実は乃木坂ファンながらも公開当時、金欠で観に行くことができなかった本作を鑑賞!

自分の脳内を「映画」の次に埋め尽くしてる気がする「アイドル」の魅力は、可愛い、だけではない。
ファンではない友達に話すと十中八九で引かれるし、LINEのトップ画像にすると女子からの連絡がぱたっと途絶えてしまう(笑)にもかかわらず、5年以上アイドルファン(主に乃木坂、エビ中)を続けているのにはそれなりの理由がある!!!

それは、彼女らは「一番輝いている同世代」だからだ!!
やりたいことを見つけ、一生懸命になって何かを成し遂げようとする高校生の彼女たちの姿が正直、羨ましい。
ハマった当初は単なる憧れでしかなかったが、のめり込むうちに、徐々に嫉妬にも似た感情を受けるようになったほど。
はっきり言って、学校の友達よりも画面の向こう側の彼女たちから刺激を受けることのほうが断然多い。

そして、ライブに行けば必ず泣いてしまう。
自分と同じくらいの年齢の子が、何万人もの観客を楽しませている姿を目にし、とてつもない勇気をもらうからだ。
学業と活動を両立させることで充実した日々を送り、自分を高めていく姿はとても美しく、応援したくなってしまう。
だからこそ、アイドルとしての絶対ルールを破った者は糾弾されるし、本当に勿体ないと思う。
アイドルになりたくてもなれない学生が沢山いるのに。。


長い前置きのうえで、本作は「アイドル」の真の姿をあぶり出した傑作だ!!!

それぞれの母親が語る、メンバーの知られざる過去。
イジメ、不登校、スクールカーストのせめぎ合い、極度の貧困生活。。
煌びやかなアイドル姿とは裏腹に、どこか“陰”のイメージを背後に抱えるメンバーが多い乃木坂46だが、長年ファンの自分でも知り得なかったそれぞれの陰鬱な過去が浮かび上がった。

暗い過去を持つ彼女たちはグループ加入と同時に親元を離れ、自分を変えていく。
リアルタイムで変わり続ける乃木坂メンバーについて、口々に「寂しい」と呟く母親たちの気持ちを考えると何とも切ない。
だけど、それは彼女たちが立派に成長しているということ。
貧しい実家から上京してきたメンバーは言う。
「私は、自分を含めた家族全員が一生暮らしていけるだけのお金を貯めるまで頑張りたい。----------来年には、家を買うつもりです。そして来年度には、弟の大学初年度費用を払おうと思ってます。」
目を真っ赤にして話すこのシーンで自分の涙腺も崩壊(T_T)

これは、乃木坂46ファンではなく、一般の人にこそ観てほしい最高のドキュメンタリー作品。
主要メンバーのみ描いているので、生粋のファンよりも寧ろ、フラットな立場から見ることのできる人のほうが合ってるかもしれない。
とにもかくにも、ひたむきに頑張り続けるアイドルの姿に再び刺激を受け、勇気付けられたのでした。