朝田

夜の人々の朝田のレビュー・感想・評価

夜の人々(1948年製作の映画)
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再見。ニコラスレイで一本ベストを選べと言われたらやはりこれを挙げるかな。神父の台詞に「ない希望は売れない」という言葉があったが、これはレイ本人の思いが込められた言葉のように思う。感傷的にならず、社会から弾かれた人たちの姿を見つめる。この厳しさが感動的な映画。キーチが結んでいた髪を下ろすというアクションであったり、ボウイがキーチの姿を見つけ、追いかけるまでをワンカットで捉えるなど二人の関係性の変化を提示する細かい演出の一つ一つがスマートだし、泣ける。一作の中でこれ程表情を変えられる女優はキャシーオドネル以外にはいないな。
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