あおい

恐るべき子供たちのあおいのレビュー・感想・評価

恐るべき子供たち(1950年製作の映画)
3.5
小説の冒頭だけ読んだことがあるけど、もっと小さい子どもたちの話だと思っていた。
エリザベートの兄弟愛や母子的愛、弟に対する姉の優しさなどポールに向けられた様々な形の愛や思いやりが詰め込まれたラストは切なくて悲しくまた美しいラストだった。ポールとエリザベートが対話するカットやクローズアップは美しかったし(特にニコール・ステファーヌは本当に綺麗だった)親的な感情を抱いてしまった。旅行なんかしたことがない二人が田舎者と思われないように強がるのは健気で可愛らしかった。(家の中だけで過ごしてきた強気な二人と対比でよりそう感じさせた)子どもたちだけの屋敷の白黒チェック床の俯瞰ショットは、賭博師ボブでも見かけたけどすごく好き。
ポールのダルジュロスへの憧れやジェラールとの関係性、エリザベートとアガードの関係性など、(ダルジュロスはワンカットだけしか登場しなかったり、関係性を表情やナレーションで説明してはいたものの)もっと掘り下げてもいい部分はたくさんありそうなので、小説を読みたいと思った。
あおい

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