ゴン吉

日本侠客伝 刃(ドス)のゴン吉のレビュー・感想・評価

日本侠客伝 刃(ドス)(1971年製作の映画)
4.0
高倉健による任侠の世界を描いた「日本侠客伝」シリーズの第11弾でシリーズ最終作。
高倉健が主演、十朱幸代がヒロインを演じ、大木実、辰巳柳太郎、池部良らが共演。
小沢茂弘が監督を務める。 
  
明治二十年の金沢が舞台。九州から流れてきた暴れん坊の車夫・鉄砲松こと松吉(高倉健)は、腹をすかして動けないところを丁度通りかかった郵便配達馬車を乗っ取り警察署につっこんで自首する。しかし警察署では食事を貰えずに、腹をすかして行き倒れになりかけていた時に、武家出身の稲垣芳恵(十朱幸代)と出会う。彼女から食事を食べさせてもらった上に、売って金の足しにと白無垢の着物を貰う。その後、松吉は警察の一件で迷惑をかけた縁で、北陸逓送会社で郵便配達馬車の御者として働くことになる。そんな折、政治結社の救国社に入ったものの考え方が違うことに気付いて組織から抜けようとしていた芳恵の弟を、松吉が逃がして芳恵に送り届ける。松吉はそのまま何処へともなく姿を消してしまう....

高倉健の義理人情と切ない恋を描いた任侠作品。
北陸金沢を舞台に、高倉健が義理人情に生き、辰巳柳太郎が恩を果たし、池部良が筋を通し、大木実が信念を貫く。
十朱幸代が熱い男達を盛り上げる。
作品前半は喧嘩好きのチンピラだったざんぎり頭の松が、四年後には頼りがいのある角刈り頭の兄貴となって戻ってきて恩を返す。
最後は高倉健が頭取の半纏から白無垢の着物に着替え、刀(ドス)を携え討ち入りで渋く決めます。
寒冷の北陸で切なくも漢気が熱いです。 
ラストはシリーズ最終作品らしく感慨深い結末でしめてくれる。

2023.12 BS12で鑑賞
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