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太陽のmotoietchikaのレビュー・感想・評価

太陽(2016年製作の映画)
3.6
社会風刺の近未来SF。「ウィルス感染者」が排除される対象ではなく、むしろ高等人種として非感染者を隔離・管理しているという逆転の設定がまず面白い。
あとの物語は綺麗にまとまっていて意外性は特にないけど、堅実にじっくり展開しているので緊張感を保って最後まで観られた。希望を残すエンディングもいい。

ただ、終盤近くの「ワイヤーカッター! 切れるもの!」のくだりはちょっとなぁ。
斧でほっそい手錠も切れないのに手首は切れるのか……。しかもそんな状態になるんだったらもう助け呼んだ方がいいだろう。
あのシーンでちょっと萎えてしまった。
元々は演劇だそうで、そこでは成立するものが映画で具体的に見せられるとちょっと違和感がすごい。「斧使うのへたくそすぎない?」とか思ってしまう。

演技がちょっとわざとらしいのも疲れる。神木くんは好きだけど、こういう激情的なキャラクターで叫ばれると感情がすべって見えてしまう。
門脇麦のヒロイン像も大好きだったんですが、ラストのやけにはきはき喋る演技はちょっと過剰。そこまでしなくても、台詞だけで十分すぎるくらい分かるのに。
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