この映画は特定の誰かがフューチャーされているときにその後ろにいる人たちの存在を見逃さない。画面にいる全員が等しくその画面の構成員として欠けてはならない。そしてそれは画面奥にいる人だけではなく、カメラの裏にいる人たちもそうだ。彼らは視覚でとらえられることはないが、自分のリズムを刻み聴覚で我々に自らの存在を訴えかける。彼らも同じく欠けてはならない。
誰しもが世界を構成していて、なくてはならない存在であるということをまっすぐに伝え、祝福するこの作品を見てドキュメンタリーの本質を見た。これ以上の人間賛歌があるだろうか。