Ryan

ヒトラー暗殺、13分の誤算のRyanのレビュー・感想・評価

ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015年製作の映画)
3.6
13分の誤算



ストーリー
あと13分演説を続けていれば、ヒトラーは殺され、世界は変わった。暗殺者の正体はただの平凡な家具職人だった。動機は? 黒幕は? なぜヒトラーは彼を生かし続けドイツ国家は真実を封印したのか?今、明かされる<普通の男>の生きざまに魂が震える感動の実話。


主演 クリスティアン・フリーデル
監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル


1939年11月8日にヒトラー暗殺未遂事件を起こしたゲオルク・エルザーの人生を、1932年までさかのぼって描いたドラマ映画。

非常に中身が濃く面白い。
何が彼を突き動かしたのか?
彼の暗殺計画が成功していたら?また、成功しなかったからドイツは破滅を突き進んだとも考えられる。
ヒトラー同様、歴史を改変する力を持った数奇な男の人生。

メロドラマから始まりそれと同様にナチスの支持が強くなっていく様とその国民性が非常にわかりやすい。最初からナチスは存在せず、どこかからかナチスも登場したわけで何が国民を洗脳していったかの考察も見事であった。

ゲオルクエルザーの人生はとても映画的だなと思った。彼の大部分を占めるのは恋で才能豊かな好青年。たまたまナチスと考えが合わなかっただけでここまでの行動力を発揮する彼はとても珍しいタイプだろう。
あるシーンで彼が決意した顔の表情がとても人間臭くて良い演出だなと感じた。

終盤は割と弱い。
流れは完璧だったのだが、この映画的に言うと「エルザーが望んだこと」になった。
とても残酷な描写ではあっが、その前後のストーリーが見えてるともっと良かったと思う。
役者陣もとても素晴らしかった。
Ryan

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