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黄金のアデーレ 名画の帰還のzunzunのレビュー・感想・評価

3.8
興味をそそる実話を基にした作品ですが、ただそれだけの作品ではなく役者陣、構成、演出どれも素晴らしい秀作です。
現代の裁判の行方と過去の迫り来る迫害(それまでの幸福だった生活)の2重の構成で、全編を通して回想シーンが効果的に使われているので、作品に深みがあります。
裁判の結末、マリア・アルトマンが迫害を逃れアメリカに渡った事などはすべては周知の事実ですが、途中のプロセスの描き方に重きを置かれているので最後まで興味が持続します。
そして役者陣も素晴らしいです。
ヒロインを演じたヘレン・ミレンがとにかく巧い。流石オスカー女優です。感服しました。
ライアン・レイノルズもハマリ役ですごく良かったです。他の出演者も良い。

調停員の判決を聞いて当時のオーストリアの世論はどう思っていたのだろうか?当時の街頭インタビュー的なものを知りたい。きっと賛否両論だったんだろうなぁ。
オーストリア人が結構悪者風に描かれてますが、最終的にはオーストリア人の過去の罪と向き合う姿勢にも感謝するべき所もあるのでは…。

『ラストエンペラー』を鑑賞後に立て続けにこの作品を観たので、こう言った絢爛豪華な生活を送っていた過去を持つ人は、どのような感覚でその生活を思い出すのだろうかと気になってしまった。