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黄金のアデーレ 名画の帰還のyukoのレビュー・感想・評価

5.0
「接吻」,「アデーレ ブロッホ=バウワーの肖像」はクリムトの作品の中でも良く知られている。
絵画には大概 色々訳ありなストーリーがあるけれど「アデーレの肖像」にこの様なストーリーがあるとは。
あらためて クリムトやホロコーストについて色々考えた。
オーストリアの様に 当時ナチス ドイツに併合された国には確かに別の体質がある訳だ。
マリアは恵まれた上流家庭に育ちながら 全てを剥奪され 手荷物さえ持たずに命懸けで脱出したこの国に二度と足を踏み入れる事を拒絶する。
マリアがどうしても取り戻したかった 「黄金のアデーレ」は幸せだった頃の一家の象徴であり、夫と共に着の身着のまま亡命した自分が、置き去りにしてきた両親への思いでもあったに違いない。
現在と当時のウィーンの上流家庭の映像がマリアの記憶として交錯するのがとても美しかった。
ヘレン ミレンは本当に可愛らしくも品格のある女優だな。
素晴らしい作品だった。