Ryan

黄金のアデーレ 名画の帰還のRyanのレビュー・感想・評価

3.7
黄金のアデーレ略奪絵画



ストーリー
驚きの実話を基に、ナチスに略奪されたクリムトの名画黄金のアデーレの正当な持ち主として名乗り出た82歳の女性が、駆け出し弁護士とともにオーストリア政府を相手に一歩も引かない返還闘争を繰り広げるさまを描く。


主演 ヘレン・ミレン
監督 サイモン・カーティス



マリア・アルトマンの実体験を基に描いた作品。
そのクオリティの高さと安定した物語構成に思わず涙。出来の悪い戦争映画より戦争映画だし、ナチスの愚かさとあの時代の常軌を逸した人々の想いに囚われる。

マリアアルトマンがなかなか頑固で曲者。
"もしも"の話よりも過去は過去、未来は未来でひたすら前を向く姿勢に影響させられていく人々の一員になった気持ち。

この作品はかなりマリアアルトマン視点が強く、そのため泣ける要素満載なのだが、視点を変えると結局は"お金"や"誠意"の問題になってくるのかなと。
その後を知るとどうもこの映画で描いたマリアアルトマンぽくもない気もする。

最後に
この映画の解釈では「オーストリア人は善良で素晴らしい人間性溢れる愛に満ちた人々だ。だから"黄金のアデーレ"を失った。」
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