Lostlion

黄金のアデーレ 名画の帰還のLostlionのレビュー・感想・評価

4.2
私は何も知らなかった。シェーンベルクの孫であるランディさえもマリアに出会うまで、オーストリアに足を運ぶまで本当には何も知らなかった。
最高裁で免責法について話した時、裁判官が言った。「過去にも遡れる」と。それは、私たちは過去に犯した罪にだけ責任があるのではなく、これから、私たちが犯しうる罪に対しても責任があるのだということではないか。その絵は長い年月その国の宝、女神として敬われてきた。しかし、その敬意、愛情には多分な自己愛も含まれていた。「こんな素晴らしい絵を持っている我が国」そうではない。この絵で描かれたのは生きたアデーレであり、マリアの大切な叔母である。
考えることが尽きない。当時の描き方としては、一面的なのだろうけど、1人の女性の物語としてみたら十分だ。
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