平和を祈るヒツジくん

完全なるチェックメイトの平和を祈るヒツジくんのレビュー・感想・評価

完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)
4.7
将棋の羽生名人も絶賛した、米ソ冷戦の代理戦争を描いたチェスの作品。「盤上の第三次世界大戦」「世界が震えた神の一手」というキャッチコピーが緊張を掻き立てる。これがフィクションではなく実話であったというのが震える。

主人公ボビー・フィッシャーは神経質かつ超がつくほど傲慢な男だ。母がうるさいからと「家から出てけ」と怒鳴りフィッシャー自身が家出したり、チェス最強のソ連選手団がVIP待遇を受けているのに我慢ならず自分も大金を受け取って高いホテルに泊まるなどやりたい放題。
神経質な点では自分もそうなので共感できたがワガママさは度肝を抜いた笑笑
最後に待ち構える世界最高のチェスプレイヤー・スパスキーとの対決は本作最大の山場だ。「アメリカのためにソ連を負かす?冷戦など知ったものか!」と世界を意に介さない、フィッシャーとスパスキーだけの対決というのがカッコイイ!史実では対戦後国を追われることになるフィッシャーだが、ベオグラードにて再び好敵手・スパツキーと再戦するというのだからロマンチックだ。
またフィッシャーは精神疾患に苦しんだが64歳まで生きた。精神の病、うつ病などで苦しむ人が見ると元気づけられるだろう。

撃中何度か挟まれるBGMも最高。誰か詳細知ってたら教えてください。