NomuraMasayuki

64 ロクヨン 前編のNomuraMasayukiのネタバレレビュー・内容・結末

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

NHK版を観て、かなり期待を高めていた本作。原作未見ではあるが、展開はNHK版と一緒なので(作品の性質上そんなに変更もできないだろう)概ね原作に沿った展開なのだろう。先が分かっていてもハラハラさせられるし(いい意味で)イライラさせられる良質のエンタメ作品だった。
ストーリー自体は好みが分かれるだろう。派手な展開は後編にお預けだからだ。だがそれでも、オープニングの昭和64年のシーンが(昭和64年の再現度も含めて)秀逸で、後編への期待度(=ハードル)は高まってしまった。
以下、NHK版との比較になってしまい申し訳ない。
まずは主演の佐藤浩市が「格好良すぎる」問題。NHK版はピエール瀧、元刑事らしい強面をみせたかと思えば、上司にペコペコ頭を下げる下手れなのが主人公・三上である。佐藤浩市だと若干ペコペコしている感が薄いのは、……まあ仕方ないかな。それよりも問題は、主人公・三上の娘が精神疾患を抱えてしまったために、自分の顔が親に似て醜いと発言してしまうシーンが佐藤浩市の容姿のせいで説得力半減という問題……。まあ好みの問題かな。どちらも名演。
あとは作風の違い。本作は映画らしく音楽も映像も壮大なのだが、これがNHK版では大友良英のかなり実験的で鋭角なサウンドに乗せて密室劇というか息詰まる雰囲気の映像。これも好みの問題かな。
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