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64 ロクヨン 前編のえくれあのレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
3.4
一週間しかなかった昭和64年に起きた少女誘拐事件―通称ロクヨン―
未解決のまま時効が近づいていた平成14年におけるある広報官の物語

ロクヨン事件、時効間近の警察庁長官の視察訪問が決定したことにより
かつて事件に捜査官として関わっていた三上広報官は、慰問許可を取り付けるため被害者の父親のもとへと訪れるがそこでロクヨン事件の隠された真実に気づき、後に警察庁、県警を巻き込んだ大きな闇に突き進んでいくことになる。

昭和の未解決事件というと犯行の内容はもとより犯人の心理が理解不能といった薄気味の悪いものがたくさんあるイメージだが
『64』は事件そのものよりも警察内部の抗争がメインで、
主人公の三上が上層部・部署・記者間でこれでもかとぎゅうぎゅうに板挟みにされる作品。
前編はロクヨンよりも妊婦が老人を轢いてしまった事件が争点となり、加害者の名前を匿名にするか否かで記者団と上層部の間でもみくちゃにされる三上。

期待していた「殺人の追憶」のような作品ではなかったが
「半沢直樹」や「小さな巨人」みたく組織の中で圧力に屈することなく己の信念のまま突き進む男のドラマとして面白かった。
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