あゆぞう

64 ロクヨン 前編のあゆぞうのレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
3.9
NHKのドラマが傑作だった

脚本、演出はもちろん、初主演となるピエール瀧ほかサプライズでありながら正鵠を射たキャスティング、大友良英の劇伴、そして何よりテレビドラマ規格外といっていい画力、カメラワークが素晴らしかった

わずか7日しかなかった昭和64年に起こり、あと1年で時効を迎える未解決の少女誘拐事件は県警の忌まわしき汚点

事件後、刑事から広報室に異動した主人公の三上を軸に、警察と記者クラブ、刑事部と警務部、地方と中央との対立、親子に横たわる想いなどをスリリングに描いていた

映画化の話を知った時、原作で「醜い」とされるにも関わらず、主演の三上に佐藤浩市というキャスティングに失望した

同じ日本のクライムものの「醜い」主要人物としては「容疑者Xの献身」の石神が思い浮かび、これは堤真一の役づくりで素晴らしく仕上がっていたけれど、佐藤浩市はそのままの佐藤浩市としてプロモーションが行われていた

前後編に分かれていることもあって劇場公開時の鑑賞は見送り、ソフト化、配信が始まってからもすぐに見たい気分ではなかった

興行成績を意識してかキャストは豪華というほかないが、配役はあまりにもひねりがないように感じたし、気負いが先に立った演劇的で過剰な演技に少し冷めたのも事実

その中でも夏川結衣(木村佳乃)、榮倉奈々(山本美月)は光っていた

記者クラブの瑛太(永山絢斗)のキャスティングにはニヤリ

三つの対立構図のうち、刑事部と警務部については説明が不十分で分かりづらかったように思う

ドラマを見ていてそう感じたので映画で初めてこの作品に触れる人はなおさらじゃないかなと

奇跡のようないくつかのショットが忘れられないドラマ版、また見たくなった

繭玉、メーダマ、スズキフロンテクーペ、ソアラ