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インフェルノのEDDIEのレビュー・感想・評価

インフェルノ(2016年製作の映画)
4.0
「天国」にたどり着くには人は「地獄」を通り抜けなければいけない。なぜに人は守るために粛清を考えるのか。人類の未来はラングドンに託された。衝撃の展開に驚きが隠せないシリーズ第3作。

『ダ・ヴィンチ・コード』映画シリーズ第3弾まで鑑賞しましたが、個人的には本作が一番好みでした。というか内容が今の状況にリンクしているというのもあるかもしれません。
本作は人類を半分の人口まで粛清することを目的に伝染病を拡げる生物学者ゾブリストの存在があります。
この内容は他の映画でも近しいテーマがありますよね。例えば『12モンキーズ』も人口減少して世界を救済することが一つありましたし、同じような目的であればMCUシリーズのサノスも宇宙の人口を指パッチンで半分にすることを目論みます。
人口が増えすぎることで食糧不足の問題が起こるなど、地球規模の大問題になると考えられ、倫理観はともかく一つの救済のやり方が人口を作為的に減らすというもの。松本サリン事件なんかもそういう感じですかね。まぁただの過激派とこの救済派は紙一重なところもありますが、映画のテーマにもなり得るところ、もしかしたら現実的な措置の一つなのかもしれません。いやぁ怖い。今回のコロナウィルスでも沢山の人が世界中で亡くなっていますから、本作は結構他人事とは思えない世界観です。

すると本作は冒頭からゾブリストが飛び降り自殺するところから始まる衝撃の展開。演出も結構エグかったですね…。
しかも場面変わっていきなりラングドンは記憶喪失。『インフェルノ』どうなってんだ!?という急展開に次ぐ急展開で始まり、謎の組織に狙われるラングドン。彼を助けるフェリシティ・ジョーンズ演じる女医のシエナと共に逃避行を繰り広げるというもの。
記憶喪失の謎、ラングドンを突然襲う幻覚の意味、そして彼らに運命が託された伝染病のウィルスの在り処の謎、誰が味方で誰が敵なのかという誰も信用できない状況が重なり、かなりハラハラする展開が待ち受けています。

私はフェリシティ大好きなので、本作はほとんど常にラングドンとシエナが映されるということで眼福ものでした。特に気が強くIQの高い天才というキャラクターも相まって彼女の力強い目がすごく活きていたと感じました。

さらに“インフェルノ(煉獄)”や“ダンテ(神曲)”がキーワードになってくるのですが、この辺りの考察にふけるのもかなり面白いです。
それが冒頭にある天国に行くには地獄を通らなければならないっていう話ですね。もうこういう内容大好物なんですよ。あ、だけど私は過激派ではないのでご安心ください。虫も殺せない臆病者なので。笑
(ハエや蚊ぐらいは殺しますが。)

遂に本作初鑑賞となったんですが、これを機に改めて『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』を観てみたいですね。『インフェルノ』の翻訳家たちが軟禁状態で翻訳したという実際の話をもとに作られたミステリー。『インフェルノ』の中身を知れば尚更楽しめそうな気がします。あとは鑑賞して思ったのが本作はネタバレしてしまうと思いっきり面白さが半減してしまうということ。こりゃあ地下室に隔離してネタバレを防ぐという意図も何となく理解できる気がします。
以下、『9人の翻訳家〜』のレビューなので、よければご覧ください。

https://filmarks.com/movies/83686/reviews/79406254

さて、ひと通りシリーズを観てきましたが、ラングドン教授の今後がまだまだ気になるところ。むしろ原作を読んでみようかしら。
原作は他に『ロストシンボル』と『オリジン』という作品もあるようなので、まだまだ映画作品も作れそうです。是非とも続きを製作してほしいですね。

※2020年自宅鑑賞217本目
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