ふみふみ2323

怪物はささやくのふみふみ2323のネタバレレビュー・内容・結末

怪物はささやく(2016年製作の映画)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

映画向きの話ではないのと暗い。映画はときにエンターテイメントらしい部分がなくてはならないと考えられるが、今作とはミスマッチのように感じた。原作小説は世界的に売れていたとのことで、未読だがこの話のように、本ならではの、少年の心理描写や家庭環境の窮屈さを詳細に読者に伝える表現には向いてそう。日本映画でもいえることだが、他メディアで売れたものが安易にメディアミックスされるのに歯止めがかからないのが伺えた。映画で観る主人公コナー・オマリーは毎度毎度わがままを言って祖母を困らせる厄介者のように見える、学校ではいじめにあっている、母子家庭で母は不治の病、別れて暮らす実の父は経済的に貧窮しているなど恵まれない状況から、イチイの木の怪物と出会う。この怪物の出現で状況が改善するのかというと、結果的にそうではなかった。むしろ、悪くなる一方で怪物とも険悪になるが、最後のほうで唐突に感情を吐露するうちに和解から、母との別れを経て強い絆で結ばれたような描写。今まで延々見てきたうだつのあがらない話から、怪物(主人公の幻覚)を通して人間的に成長したことを表現したかったのかもしれないが、力技感が否めなかった。視聴後も釈然とせずモヤモヤした思いが残った。
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