ひよ

怪物はささやくのひよのネタバレレビュー・内容・結末

怪物はささやく(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

前に予告を見て気になっていた作品がパンズラビリンスの制作と聞いて見た。
若干作風が似てるというかファンタジーなんだけど現実の暗さが強くて、現実逃避なのか、それとも本当に不思議な生物はいるのか、と想像の余地のある作品。
主人公は両親が離婚、母親は不治の病、気の合わない祖母に引き取られかけていて、父親も会いには来たが引き取れないと言われ、いじめにもあっている。そんななか喋る木が来て3つの話をするから、4つ目の話をお前がしてくれと持ちかけられる。
この木(怪物)は主人公の妄想なのか、本当にいたのか。主人公の妄想だったというか、主人公の中の抑えられない感情=怪物として描かれているような印象が強かった。
だけど死の間際母親がその怪物と目を合わせているように見える描写が本当にいたのかもしれないと思わせる、少しだけファンタジーの可能性を残す表現で良かった。
母の死後、祖母から母親のスケッチブック?を渡され、読んでみるとそこには木の怪物と聞かされた3つの話の絵が描いてある。少年が見たのはやはり幼い頃母親に読み聞かされた話を妄想していたものだったのか、それとも母親と同じものを見て、聞いたのか。少しの救いを残した作品だった。
んでも全体的に暗かったな。話の中でもあったけど、良い人、悪い人、良い話、悪い話、人生はそうやってハッキリ分けられるものじゃない、この話もそういう話だった。
言いたいことは分かったけど心に残る作品ではなかったかな。
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