爆裂BOX

メタル・トランスフォームの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

メタル・トランスフォーム(2011年製作の映画)
3.5
アメリカ、アイダホ州の田舎町にロシアの人工衛星が墜落。それを拾ったジェイクとイーサンの兄弟はスクラップ屋のアールにそれを売り渡すが、未知のバクテリアが付着しており…というストーリー。
宇宙から来た未知のバクテリアに寄生されて動き出したロボット型のオブジェが田舎町の住人に襲い掛かるSFモンスターアクションです。
変人のアールはクズ鉄を溶接して体長5mのオブジェ「アイアン・ゴーレム」を作成。しかし、バクテリアが付着した人工衛星の残骸がそれに引っ付いてゴーレムが動き出し、住民達を襲いだす。襲われた人はバクテリアに感染し、死に追いやられていく、という内容です。
珍しくジャケット通りのロボットモンスターが出てくるモンスター物です。といってもロボットじゃなくてクズ鉄集めて溶接して作ったオブジェが未知のバクテリアに寄生されて動き出した物ですが。
この手のB級モンスター物やパニック物数多く手掛けるポール・ジラー監督だけあって、全体的に安定感感じられますね。隕石に衝突されたロシアの人工衛星が田舎町に墜落して主人公兄弟がそれを見つけてスクラップ屋に持ち込んで、バクテリアがアイアン・ゴーレムに寄生して動き出すまでテンポよく進んでいきます。
舞台が田舎町で登場する住民の数も少ないので、スケールは大きくないですが、登場人物のキャラもそれなりに立ってて、「トレマーズ」みたいなのんびり田舎町パニックという感じになってます。機械工の主人公と元カノで生物学者のヒロインのバディ感も良くて、主人公についてヒロインも結構行動してくれるのでダレずに見れます。保安官も割と勇敢でしたし、バーで飲んだくれてる酔っ払いのオジサンとかもいい味出してました。ヒロインのニコール・デ・ボアはじめ、役者陣もTVシリーズで活躍するベテランで固めてるのも安定感に繋がってるのかな。
ゴーレムのCGの出来もこの手のB級作品としては頑張ってると思います。車で突っ込まれてバラバラになっても其々のパーツが動いたり、やがて集まって元通りになったり、爆破されてもバラバラになったパーツがそれぞれ蠢きます。部品から斧の刃に移動して斧が動き出して襲ってくる所も面白かった。ただ、舞台が辺鄙な田舎町で壊す物が殆どないので、電話線切断したり窓ガラス破って手を突っ込んできたりするくらいで、あまり暴れてくれず、ほぼ歩き回ってるだけなのは残念でしたね。攻撃方法もゴーレムに触られるとバクテリアに感染して、顔が灰白色になって死ぬという地味な物で画的に盛り上がる所が少ないんですよね。人間を襲うのは血中の鉄分を求めるかららしいけど、全然他の鉄には目もくれず人間ばかり襲ってるのはどういう訳なんだろ?
バーに立て籠もったアールと酔っ払い親父が、主人公達が外で戦ってる間に斧についたバクテリアに洗剤や漂白剤かけて倒そうとする所も面白かったですね。混ぜるな危険知らないのか(笑)ふとしたきっかけで弱点見つける所や、その撃退法も昔懐かしいB級映画な感じで良いですね。画的には地味だけど(笑)
一件落着したと思わせてからもう一波乱ありましたが、アッサリ解決するしちょっと蛇足な感じはしたかな。アルコール入ったタンク抱えて噴霧器で逃げ回る小さな部品追い掛けて酒かけようとする主人公の姿はマヌケで笑えたけど(笑)
B級と割り切ってみれば中々楽しめる作品だと思います。個人的には結構楽しめました。