りょうた

少年裁判所のりょうたのレビュー・感想・評価

少年裁判所(1973年製作の映画)
4.0
詳しくは分からないが、少年裁判所で働く職員や弁護士、裁判長らにとって、5個あるうちの1つの仕事。淡々とこなしていく。と言うことを目にしたが、そうだろうか。彼ら、彼女らは確かにそういった側面があるのかもしれないし、スタンスは人それぞれかもしれないが、一人一人に時間の許す限り正面から向き合っているのではないか。感情移入をしてしまうと持たないということがあるのかもしれないが、それでも真摯に向き合っているように思う。だが最後の青年の裁判も印象に残っている。涙ながらに訴え続ける彼は本当に有罪なのだろうか。

ドキュメンタリーの根本的な部分として、目の前で今起こっておることを新鮮なままに映すことにある。一回性や偶発性が伴うということだ。今作を観て感じたこととして、監督の意思に関係なく、カメラはズームイン、ズームバック、クローズアップ とパンと動きに動く。冒頭近くの開廷前の扉付近を映したシーンが顕著だが、ある女性が通ろうが、男性が通ろうが、カメラは動かない。しかし、赤子を抱えた母親が入ってくると、パンして追っていく。映画の作者は実作者ではなく、撮影監督こそが実作者なのかもしれない。ワイズマンはプロデューサー、編集者というところに落ち着く気がする。

また裁判所に赤ちゃんがいることで裁判所とのコントラストとして印象付ける意図があるのかもしれない。そこには意図がある。
りょうた

りょうた