kyon

ワンダーウーマンのkyonのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
4.0
気になっていた『ワンダー・ウーマン』をやっと。

やっぱり「僕は今日を救うから君は世界を救え」はかっこよい…!

マーベル作品は日本でいえばいわゆる漫画原作ものになるんだろうけど、やっぱり予算や規模の違いもあるから1ジャンルとして確立してる印象。
日本も確かに年々アップデートはしてるけど、難しいところだよな。

物語はギリシャ神話に遡り、ゼウスが生み出した人間たちに嫉妬した弟のアレスが人間に嫉妬と疑念といった感情を授けてしまった末に起きたのが戦争であると。そしてアレスは神々を次々と倒していったが、弟の暴走を止めるためにゼウスが生み出したのがアマゾネスたち。彼女たちは愛と武力に溢れた戦士たちでアレスにバレないよう隠された島に住む。その島の女王のもと生まれたのが、ガル・ガドット演じるダイアナ。

彼女は戦争の残酷さを知ることもなく、ずっと平和に過ごし、もちまえの勘の良さで戦士の修行をしていたが、あるとき漂流してきたドイツ軍たちをきっかけに世界大戦を止めに人間界へ向かう。

マーベル系ってまた一般的な衣装デザインとは異なった領域だと思っていて、いわゆる想像的な部分と映画内の現実、実写という部分をどんなバランスで調合するかで作品のカラーが決まるから、考えさせられる。

衣装デザインについて、デザイナーが今回は、古代ギリシャの美術などからインスピレーションを得ていて、そこから個々人を戦で認識するために1人1人デザインを考えたという話からしてわくわく。

それに加えて、CGなのか実写の加工かわからないけど、冒頭から壮大な風景を映し出していたダイアナたちアマゾン族の島が美しくて、それも含めて世界観形成がすごく成功してるなと。

対比されるように、人間界の世界は暗めのトーンだから、そこも納得。

デザイナーが、今回は現実寄りになるよう考えた、とも言っていたんだけど、いわゆるこの時代設定って第一次世界大戦あたりみたいで、女性たちのスカート丈がやっとくるぶし見せよう、コルセット不便だからちょっと緩和していこう、とかなのに、ものっそい露出高い戦闘着で現れるダイアナとの対比が面白かった笑

異次元の存在、という意味ではもっともな感じも。

そこで思うのは戦うためには機能性が最も重視されるし、軽くて丈夫な素材という矛盾してるような条件が思い浮かぶけど、身体を守る意味ではダイアナの戦闘着は心許ないよね笑(褒めてる)
ここに衣装のちょっとしたフィクション性、スターを美しく見せるコンセプトが受け継がれているなと思う。

原作よりかなり素材感とか色合いとか雰囲気は現実的な方向に寄せてる感じも。

まさしく”愛は世界を救う”なんだけれど、悪役のアレスがわかりやすいくらい悪だったからワンダー・ウーマンの活躍ぶりに惚れ惚れすれば良かった作品でした。
kyon

kyon