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リリーのすべてのmのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.0
後半ぽろぽろ涙が止まらんかった。
アイナー、リリー、ゲルダの心情が繊細かつ緻密に描かれていた。どんな場面でもどの女性より女性らしくて、演技がすごい。アイナーとリリーの割合が変化していくのが美しかった。リリーとして自分の人生を選びとっていく姿は輝いていたし、自分が自分であるアイデンティティーの獲得は人生の主題かな、とも思った。

ゲルダが変化していく夫に対して葛藤もあるし受け入れがたいことばっかりではあるけど、可能な限り寄り添っていこうとする姿が強くて美しいと思った。これほどの愛に私は値しないわっていうリリーの言葉で、ゲルダの複雑なアイナー、リリーへ向けた気持ちはきちんと2人に伝わっているのを感じてほっとしたし、ここまで強く進んできたリリーも本当に不安だったんだろうなと思った。
これほどまで深くの愛を誰かに私は与えることができるのかな。リリーは自分だと受け入れるアイナーの強さも、リリーになるための決断力も、ゲルダの深い愛も全部切なかったけど凛と強くて憧れる。ちょっとでもそういう部分を人生の中で育てていきたいなぁ。
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