ひな子

リリーのすべてのひな子のレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.8
終始、心が痛くなる想いだった。
ようやく自分を見つけた、と思ったら異常だと言われ、確実さに疑念すらもたない医学のもとで精神科にぶちこまれるかもしれないような世の中で。
ただ、自分を自覚して生きてる人は美しい。
エディレッドメイン、美しい。
夫婦じゃなくなっても、たしかに二人は愛しあっている。性的な愛より、たしかな愛。でも、辛い。
身体と精神は分けて捉えたいときもあるけど、身体は人の心に繋がってる。身体に傷をつけたら、心も痛いように、ハグしたら心が満たされるように。

子宮をつけたら、女になれて、ようやく自分になれた、と感じ。身体的に女に近づくことで、本当の自分になれるのか。。

身体と心が分離した状態の、その齟齬の部分が仇となり、自分を認められない。
身体が心(こうあるべきという思い込みの形)に近づくことで、自分をようやく認めることができる。
こういう状態が、めちゃめちゃ危ういと思うのは浅はかなのかもしれないが、もうこうなると技術の高まりを願うことしかできない。
ひな子

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