世界で初めて性転換手術をしたMtFの方の実話を元にした映画。
(映画を見た感じ、男性の中に女性の人格が芽生えた形の二重人格?的な描き方にも見えたが、実際はトランスジェンダーのお話。)
「最近流行りのLGBT」「なんかLGBTの人増えたよね」なんて耳を疑うようなセリフを聞くこともまだまだ少なくない現在ですが、それでも昔に比べ、声を上げる人は少しづつ増えてきたと思ってます。
もちろん、LGBTは増えたわけでも流行りに乗って名乗るものでもないので、今も昔も同じだけの人数の方が同棲の方に惹かれたり、また自分の性別に違和感があったりしていた訳で……
そう思うと、生まれ持った性自認を人に言うと病気扱いされるから等といった理由で隠し通していた人も大勢いたと、、想像しただけで辛いのに、当時の人はどんなに大変な思いをしたんでしょう。
まさに本作のリリーが置かれる状況はそのように辛いものでした。
リリーは、表面的に見ると画家である妻の女性モデルの代わりを務めるべくドレスを身にまとったところ、女装にのめり込んでいき遂には本当に女性になってしまう……という描写しかされていません。
しかし、1度映画を見てからもう一度映画を見直すと、最初ドレスを着るのを拒んだ時から、ずっと心のどこかで自分は女性であるという気持ちがあったものの、時代もあってその気持ちに自分自身気づかず戸惑っていたようにも見えました。
「女性として生きたい」という、ただそれだけなのに後ろ指をさされてしまいかねない状況で支えになったのは他でもない奥様でした。
彼女もまた、今まで当然のように愛し合っていた旦那が突然「女性」になってしまい、あろう事か男性と浮気し始めてしまうのだから、どれだけ戸惑うかは容易に想像できます。
しかし、戸惑いつつも愛した夫の願いを叶えてやるべく奮闘する姿はとても気丈で胸を打たれたし、男女という垣根を越えた絆のようなものが描かれていて本当に素敵でした。
なにより、リリーの姿になった時のエディがとにかく美しすぎて、ため息が出た。。