ゲルダの献身性にとにかく胸打たれます。
形的には浮気であっても、アイナーは自分1人を愛してくれることを知っているからこそ見捨てることができないという心の葛藤を上手く描いています。
一方その献身性に感情移入はできても、共感はできませんでした。この作品を語る上で禁句かもしれませんが、「普通」そこまでする?と感じてしまう自分もいます。
また、リリーに「(可愛さで)あなたには負ける」と言われたゲルダが「(あなたは)美しい」と返したのは非常に印象的でした。どこか会話として成り立っていないような気もする返事ですが、だからこそゲルダが真にそう思っていると伝わり、リリーにとっては救われた言葉のように思えます。
だんだん女性にしか見えなくなってくるエディ・レッドメインの演技や、荘厳な遠景など良い要素が詰まった映画でした。