【9作目】
メインビジュアルから何年も気になってたのになかなか手をつけていなかった作品。
世界で初めて性別適合手術を受けた、リリー・エルベの実話を元に描いたヒューマン・ドラマ。今となっては（特にここ10年ほど）、社会的にも性への寛容さが広がりつつあるのかな、認知度も高まってきてるのかなと思うけれど、映画の1930年代では全く受け入れ方も違う。性のあり方を認める以前に理解ができないし、きっと何かおかしくなってしまったのじゃないかと感じてしまうはず。今まで見たことも考えたことさえないものを、自分や周囲がどう捉えていくのか。
鑑賞後の1番の感想は、自分の今までの認識が恥ずかしいということ。知ったりわかったり、受け止められるとさえ思い込んでいたけど、自分がおんなじシュチュエーションに立った時、どう振る舞えるか。その点で妻の愛の深さに胸が痛くなる。そして何よりリリー役のエディ・レッドメインが怖いほど美しく目に見えて変わっていく。
何度でも見返して、何度でも、感じて考えるべき作品。
