このレビューはネタバレを含みます
楽しみにしていたので初回を。泣くのも分かっていたのでタオルを握りしめて(笑)
人が生まれてきたときに持つ肉体的な性とその中にある精神的な性は必ずとも同じとは限らない。そこに現れる差異をとてもリアルに美しく描いています。
今はLGBTにまだ寛容になったと思いますが昔は恥だ罪だとされ、精神が崩壊しているとまで言われるほどでした。誰が決めたわけでもない、勝手に与えられた性なのにどうして抗ってはいけないのかと考えさせられますね。
アイナーはゲルダと出会い、愛に触れ、本当の自分「リリー」を解き放つ強さを手に入れたんですね。ゲルダも混乱はしていたけれど相手を受け入れる強さを手に入れました。とても胸にきます。
お話の内容もグッとくるんですが役者さんの演技が素晴らしくて、特にゲルダ役のヴィキャンデルちゃん。たくましいわけではないのに、強さをよく表現していて、涙が止まりませんでした。ゲルダはアイナーを愛していたけれど決してリリーを否定しようとはしませんでした。どう変わってもアイナーもリリーも1人の人間で、彼女の中では何一つも変わらなかったんじゃないんでしょうか。
ただただ、美しく儚い映画です。