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リリーのすべてのMのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.0
2016.03.20

原題The Denish Girlが示す通りデンマークのリリーという女性の話であり、彼女を支え続けたゲルダという女性の話。事実からは少し離れているみたいだけどこの映画がリリーが伝えたかったことは変わらないはず。

きっかけは小さなことだったけれど二人に大きな変化をもたらした。

リリーという本当の自分になり女としての人生を送りたいと望むアイナー。
そんな日に日に女装でいることが増えた夫に戸惑いつつ側で支え続け最後まで理解者でいたゲルダ。

いままで自分だけを愛してくれていた人の気持ちがある時から離れ、結婚したいとまで言い出す。隣にいるのに隣にいない。抱きしめたいのに抱きしめられない。そこにいるのはただ女装しているアイナーではなくリリーという一人の女性。
どうしてもゲルダ目線で映画を観てしまったけれど耐えられるわけがない。愛する人の望みはわかるけれどゲルダのように応援し支えられるだろうか。一緒にいたい気持ちよりも悲しさと切なさで一緒にいられない気がする。

いままでひた隠してきた本当の自分だったけれどゲルダのおかげで表に出すことができたのにそのあとは自分のことばかりだったリリーのそういうとこは共感できないなと思ったけど長い間抑えてきたものが爆発したのだとすれば仕方がないのかもしれない。

親友のハンスもいけめんだしいいやつすぎた…
ゲルダに想いを寄せながらも親友のアイナーの身を案じる姿はすごいと思う。

最初の風景のシーンがラストにもあるけれど思うことは最初と最後全く違ったのも印象的。

エディ・レッドメインの演技に感動。化粧したら女性にしか見えないし途中からドレス姿じゃなくても女性のように美しかった。所作もどんどん女性のように繊細に美しくなっていく…女性よりも女性らしかった。
そして、日に日に女性になっていく夫を献身的に支え続けたゲルダを演じたアリシアもこの作品ですごく好きになった。

もう一度観たいな。
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