妻のゲルダに感情移入しすぎて、アイナーを"殺した"リリーをしばらく受け入れられなかった。
物語の終盤にかけて姿を見せなくなってしまうアイナーを想い、何度帰ってきて!と思ってしまったことか。
それはアイナーとリリーを否定することと同義であるし、全てを愛すると誓ったゲルダに対してもあまりよくない感情であることは分かっている。
それでも夫と話したいのと泣くゲルダに「幸せになって」と声をかけるリリーのなんと残酷なことか。
そんな感情を抱いてしまったからこそゲルダの器の広さには尊敬の念しか抱けない。
百貨店で香水を売るリリーのシーンは大好きだ。