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ある天文学者の恋文のrumblefishのレビュー・感想・評価

ある天文学者の恋文(2016年製作の映画)
3.5
これ、監督がイタリア人、舞台がイギリスということで、日本人との恋愛観、不倫に対する考え方の違いがもろに影響する作品。
エドの家族では娘がエイミーと対峙するが、オンラインの画面に幼い息子が映り込むシーンが有る。自宅の玄関では娘のヴィクトリアと年の近い若い男性、年配の女性、幼い男の子が登場するので、子供の年齢差からおそらくエドは再婚しており、前妻の子がヴィクトリアと男性、後妻とその間に男の子がいるという家族構成と思われる。で、問題は、この後妻は少し映るだけで、全く取り上げられていないというところだ。
日本人の感覚だと後妻の立場は無視できないが、ヨーロッパ的にはエドの愛が失われた後妻は重要ではない、しょうがないじゃん、ってことなんだろう。
ここが腑に落ちないとエドとエイミーの愛は、初老のおっさんがいい年してして何やってんだか、エイミーもそういう趣味なのってなことになってしまう。

自分の死期を悟ったエドが、父親の死にトラウマを抱えるエイミーを自身の死後もたくさんのメッセージを残して導く物語。
エイミーは“カミカゼ”とあだ名を付けれるほどタナトス、死の衝動に駆られており、エドはエイミーと母親を和解させ、Ph.D、博士号の取得まで、将来の道筋をつけるところまで、何とか持っていこうとする。
エドのエイミーに対する深い愛を感じられたけど、やはりちらちら家族は?と思ってしまう自分は日本人なのであった。