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ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!のBwingのレビュー・感想・評価

3.5
初放送時が戦後50年にあたることから第二次世界大戦やハリマオを題材とした作品となっており[2]、ハリマオが残した財宝を巡りルパン一味とゲストキャラクターが争う内容となっている。

本作より2代目ルパン三世の声優として、同年3月に他界した山田康雄に代わり栗田貫一が正式に就任した[3]。栗田の2代目就任は新聞等で大々的に発表され日テレ側は栗田を正式な2代目に抜擢した経緯として映画での栗田の演技を評価する声や視聴者からのテレビスペシャルでの続投を望む声が多かった事が決定打になったとしている[4]。

監督はTVスペシャルシリーズ第4作『ルパン三世 ロシアより愛をこめて』以来となる出崎統を起用、初期のTVスペシャルで見られた止め絵の演出も多く見られる。また、出崎が製作に関与した最後のルパン作品となった。

脚本に関して、オファーされた柏原寛司の「自分が主催するのゼミの生徒との共作にしたい」という希望から、柏原と共に(後のテレビスペシャルの脚本の多くを担当する)米村正二と藤田伸三が初参加した。彼らは柏原と共にプロットや脚本を執筆したが、柏原の修正や監督の出崎の作風により両者の色は薄まっているという[2]。

キャラクターデザインを前作に引き続き須藤昌朋が担当、メインキャラクターは前年と同様『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』に近いデザインであるが、ゲストキャラクターについては他のスタッフが手がけており、本編では本来とは異なるデザインに修正された。

ルパン達が潜伏していた宿の支配人役で、生前の山田と親交のあったおぼんがゲスト出演した。

歴代テレビスペシャルでは珍しく肉弾戦のシーンが多く、ルパンはおなじみのワルサーP38を使用する場面が存在しない珍しい作品となっている。本作では、次元が目を見せる描写が非常に多い。この作品からコンバットマグナムの効果音が変更され、翌1996年に公開された劇場映画第6作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』まで使用された。

『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』から20年近く使用された東京ムービー新社名義で製作された最後の作品で、本作放送3ヶ月後にキョクイチに合併した。再放送では更に名義がトムス・エンタテイメントに差し替えられる事もある。

当時の流行語や浮かれたカップルなど、コミカルな場面がテレビスペシャルの中でも比較的多い作品でもある。

原作や過去作のオマージュが多く取り入れられた2018年の『ルパン三世 PART5』では最終回(第24話)『ルパン三世は永遠に』にて本作からダイアナと黄金の潜水艦が登場している。
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