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TAKING CHANCE/戦場のおくりびとのsyuheiのレビュー・感想・評価

4.0
HBOオリジナル映画。2009年のロス・カッツ監督作品。原題は"Taking Chance"。ケビン・ベーコン演じる海兵隊の将官がイラク派兵で亡くなったチャンス一等兵の遺体を護衛し家族のもとに送り届ける任務を描く。

海兵隊ものといえば屈強な兵士たちの活躍が主流だが、この映画は陰陽で言えば陰の部分に焦点をあてる。ベーコンをはじめ登場人物たちの演技は抑えられており、特に劇的な展開もない。しかし、この世に2人として同じ人間はおらず、その人が亡くなり弔うことは、十分に衝撃的で大変な出来事なのだ。

わずか77分という上映時間。言葉は少なく、盛り上がりもない。それでも十分な見応えと余韻が残るのは、亡くなった兵士がどのように弔われるのかというディテールと控えめだが骨太な演出による。故郷ワイオミングに棺が近づくにつれて彼の死が意味するものが着実に大きくなっていく様子は胸に迫る。

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