もち

軽蔑のもちのレビュー・感想・評価

軽蔑(1963年製作の映画)
2.5
恐らく初ゴダール。赤と青の対比が印象的なオープニング。この二色は作品全体を通して、明らかに意図的に配置されている。
「オデュッセイア」のオデュッセウス(ユリシーズ)とペネロペをポールとカミーユに対比させながら話は進んでいく。最初はわかりにくい映画だと思ったが、最後まで見るとこれは"すれ違う夫婦の悲恋の物語"なのだと感じた。
カミーユの気持ちはとてもわかる。気を引きたいような、愛していないような、愛しているような、自分でもわからないちぐはぐな感情。ポールの行動はどれも逆効果で、「違うそうじゃない」と何度言いたくなったことか!

ラストで撮影されていたのは皮肉にも、ユリシーズが妻のいる故郷へいざ向かおうというシーン。
ユリシーズは、その後、無事に妻と再会できる…。
結末のその後を想像すると、哀しさと切なさで胸が痛くなった。


ざっくりオデュッセイアの流れを知っておいた方が良いと思うので、この映画を観るのに役立ちそうなストーリーをめちゃくちゃざっくり蛇足しておく。☟

トロイア戦争を終え祖国へ戻ろうとするユリシーズだが、その道のりは簡単ではない。途中不倫して不倫相手と長い時間を過ごしたりもするが、結局妻の待つ祖国へ帰る決意をする。そしてようやく祖国へ戻ったユリシーズは、無事に妻と再会する。
もち

もち