Uえい

軽蔑のUえいのレビュー・感想・評価

軽蔑(1963年製作の映画)
3.5
映画の撮影風景から始まり、映画製作がテーマになっていて「8 1/2」的な映画についての映画と思わせながらも、いつものように男女のすれ違いが描かれていた。

主演の二人は勿論のこと、カプリ島の風景や室内のトリコロールカラーでコーディネートされた色使いも美しくポップで、小旅行をした気分にもなれる。

主人公は劇作家のポール(ミシェル・ピコリ)で、妻カミーユ(ブリジット・バルドー)と暮らしていた。ある日、映画プロデューサーから脚本の仕事を依頼される。撮影所に話を聞きにいくとフリッツ・ラング(本人)がオデュッセイアを元にした新作を撮影していて、脚本を手直しして欲しいとの事だった。

その後、そこでの出来事がきっかけでポールとカミーユは喧嘩してしまう。二人は撮影が行われるイタリアのカプリ島に行くが、二人の仲は決定的に悪くなってしまうのだった。

ラングが本人役で出ていたり、ゴダール自身が助監督としてひょっこり映り込んでいるのが面白い。

冒頭バザンの言葉を引用して、欲望を視覚化したと語られるが、当時プライベートで何かあったのかと邪推してしまう。監督としての映画製作の悩みをラングに、恋愛の悩みや困難をポールとカミーユに仮託しているのかなと思った。
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