がみおー

ゴーストバスターズのがみおーのレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)
3.9
諸君は「第二の脳」を持っているだろうか?

ゴジラシリーズ20作目となる「ゴジラvsメカゴジラ」にて言及され、更には2013年のハリウッド大作「パシフィック・リム」においても(ほぼ間違いなく世界を代表する怪獣映画ゴジラへのリスペクトとオマージュであろう)博士がその存在を指摘するシーンもある第二の脳。前者において実際には脳ではなく脳のようなものだった気がするが。

私はこの第二の脳を、「馬鹿映画を見るための機能」として所持している。あーだこーだいちゃもんをつける暇があったら目の前で流れてる作品のノリや雰囲気を楽しめというアレである。


まず第一に、この作品は「第二の脳」を持っていない方々には楽しめないであろうということ。オリジナル版の時点で既に「第二の脳」が必要なシリーズなのは一目瞭然ではあるが、この作品を観て雑だ説明不足だなんだと批判している方々はちゃんとタイトルを確認しているのだろうか?こういった「第二の脳」を持っていない高尚な方々が「マッドマックス 怒りのデスロード」をあろうことか馬鹿映画等と表現してしまったりするのだろうか。



それはさておき、ゴーストバスターズというシリーズに必要なもの。それは、ゴーストの描写(怖いのから面白いのまで)、まるでヒロイックさの欠片もない親近感の湧く主人公グループ、魅力的なガジェット、スライム、友情、下ネタ、開幕早々襲われるモブキャラクター、あの有名なテーマソング、理解してくれない世間及び政府…こんな所だろうか。要はこの辺が揃っていればゴーストバスターズとしては及第点なのである。更に今作はCG技術の向上によるヴィジュアルエフェクトの強化や一応SFな作品の世界としてのよく分からない科学的説明描写、メンバーからは想像できない程見ごたえのあるアクションシーンも加わって、先日の金曜ロードショーで初めて初代ゴーストバスターズを観て「なんかしょぼい」などとほざいたリアルタイムでない世代たちでも、オリジナル版を当時映画館で観たリアルタイム世代のようにゴーストバスターズという作品を楽しむ事が出来るようになっている。まさに「シン・ゴーストバスターズ」でありリブート作品としての完成度はかなり高い。


「ゴーストバスターズ3」を楽しみにしていた全世界の古参のファンには申し訳ないが、とても面白かったというのが素直な感想である。またCGによる背景によって3Dの奥行きを魅せた「ジャングルブック」とは対照的に、とにかく3Dの飛び出しを意識したカットが多い為、IMAX3Dで観ないといけない作品だ。色々観てきたがここまで飛び出す3D方向に突出した映画は初めてかもしれない。
また当時のオリジナルキャストもカメオ出演とはいえ割とわかりやすくクローズアップしてくれるのでこちらが血眼になって探す必要もなくてよかった。

ソニー映画といえば去年はピクセルだったが、こういった肩の力を抜いた大作が得意なのだろうか?