かたゆき

ラスト・リベンジのかたゆきのレビュー・感想・評価

ラスト・リベンジ(2014年製作の映画)
2.0
バニールはまだ生きている!
テロリストの元幹部である奴は数々の殺人や誘拐に関わり、観光バス爆破事件では多くの子供たちまで犠牲にしたんだ。
なのに、病気だからと言ってほっとくんですか?野放しにしておくことはCIAや政府の方針に反するはずだ――。
かつて対テロ工作員として国際的に活躍していたものの、いまや認知症を患いCIAのお荷物となってしまったエヴァン・レイク。
もはや引退を余儀なくされそうになっている彼に、ある情報が舞い込んでくる。
22年前、彼が逮捕寸前まで追い詰めたものの直前で取り逃がししてしまった大物テロリスト、バニールが深刻な病を患いケニアに潜伏しているというのだ。
すぐさま上司に報告したレイクだったが、彼の訴えは「もうすぐ病気で死ぬ男に関わっている時間はない」と無下に却下されるのだった。
どうしても過去と決着をつけたかったレイクは、独自に捜査を開始する。
自分を慕ってくる若手スパイと共に、情報を求めてルーマニアへと向かった彼だったが、認知症の進行により徐々に意識が朦朧としてくるのだった……。
病を抱えながらも因縁の相手を追って世界を駆け巡る孤独な老スパイを描いたポリティカル・アクション。

いまやB級映画の代名詞とも言えるニコラス・ケイジ主演ということで相当ハードルを下げて観始めたのですが、案の定、その下がりに下がった僕のハードルのさらに下を行く完成度の低さでしたね、これ。
何が駄目かって、とにかくストーリーの根幹をなす大事な部分にいちいち突っ込みどころ満載な点。
たとえば、
①何故、主人公はそのバニールというテロリストにそれほどまでに執着するのか?
恋人や同僚を殺されたという明確な理由があればこそサスペンスが盛り上がるというのに、昔取り逃がしちゃったからという理由だけではさすがに乗り切れない。
②主人公を慕う若手工作員がどうして職を賭けてまで彼に同行するのか?
先輩として尊敬してるからだけではさすがにちょっと、ねえ…(笑)。
③主人公が認知症で何度も意識が混濁するという設定が一切活かされていない。
本作において、これは致命的な欠点と言っていいでしょう。

他にも、ケニアに入国するのに初対面の医師に成りすましたり(付け髭とグラサンだけでOKってそんなアホな…笑)、ようやく念願のバニールと対面できたのに何故か殺しも捕まえもせずにその場を立ち去ったり(後日、彼の部下に襲撃されてやっぱり殺しに行くって、じゃあ最初に殺しとけよー!笑)、そういう細かい部分にも荒さが目立ち、とてもじゃないけど楽しめなかったです。
まあ、よくも悪くもニコケイブランドの作品ってことで。
かたゆき

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