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ラスト・リベンジのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ラスト・リベンジ(2014年製作の映画)
2.5
う~ん...ベテランタッグ大御所生涯現場宣言なホームランド的復讐サスペンスで社会派ドラマ。観客を置いてきぼりにするように決して派手さはないけど、その分リアルなCIAって感じも。だけど本作の製作はやたらと紆余曲折の困難を極めた結果、作家性の"さ"の字もない状態になったらしく脚本監督を務めた重鎮ポール・シュレイダーも言い訳混じりに匙を投げるほど。ズタズタにされた再編集なので今となっては本作製作当初の意図を正しく汲み取り、正当に評価することは難しいかもしれない。知る由もない。ただ、キレやすい役はニコラス・ケイジのハイテンション高カロリーな十八番ニコラス・モード演技に最適っぽい。つまり本作はもしかするとニコラス・ケイジのキャリア的には多数のバカ映画の中でたまにある輝く作品に成り得たかもしれないのに、結果としてはバカ映画寄りに成り下がってしまった感じで勿体ない。(大半のダメな時)ニコラス・ケイジ主演作らしくごまんとありそうな月並みすぎるクソ邦題が表すように、哀しいかなあの"『タクシードライバー』の脚本家"ことポール・シュレイダーもやらかす、という例に奇しくもなっちゃったみたいな印象。あっちの辛口批評家ぽく言うなら原題の"Dying of the Light"が奇しくも作品全体を表しているとも揶揄されそう。だけど生前のアントン・イェルチンとの歳の差コンビに、クシシュトフ・キェシロフスキ監督のミューズことイレーヌ・ジャコブも見られるし、ニコラス・ケイジどえらい白髪。認知症だから時間がない、特に過去の傷そのものの右耳!なので自分含めて皆さん、先入観を捨て去りもうちょっと寛容になって見直してみたら少しは今より高く評価できるかも。スーパー面白いかと言われれば微妙だけど嫌いにはなれない、高齢社会で宗教戦争な世界の警察ことアメリカ万歳。同じくポール・シュレイダー作品でイーサン・ホーク兄貴主演『The First Reformed』が以前からメチャクチャ見たいのですがまだ日本には来ないんですか?

「夕暮れ時は嫌いだ、最悪だよ」
TOMATOMETER9% AUDIENCE15
Critic Consensus: Dying of the Lightenvelops the spark of several intriguing talents, leaving audiences lost in a yawning void of uninspired filmmaking.
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